視覚障害者センターだより 令和5年(2023年)12月(通巻399号)
視覚障害者センターだより ~ロバと五つのにんじん~
令和5年12月10日発行(通巻399号)
発行 岡山県視覚障害者センター
TEL 086-244-1121
FAX 086-244-1043
Eメール ossfc@nifty.com
● はじめに
今年の秋はほんとうに暖かかったですね。この原稿を書いているのは11月下旬ですが、上着が要らないくらいに暖かくて、昼間はセンターの暖房もつけなくても大丈夫なくらいです。テレビニュースで見たのですが、静岡県の沖合では熱帯魚が泳いでいるらしいです。また、どこかの県では季節外れの暖かさに勘違いした桜の木が花を咲かせたそうです。
さて、今月号でセンターだより「ロバにんじん」も通巻399号となり、いよいよ来月号で400号となります。400号記念企画第1弾(第2弾はないかも?)として、当センター職員の自己紹介を3回シリーズで掲載しています。今月号では残り二人の職員を紹介します。この自己紹介で当センターをより身近に感じていただければ幸いです。
今月号は利用者の方が原稿を送ってくださったので、読者の声のところに掲載しています。読者の皆様からの原稿は随時募集しています。利用者の方、利用者のご家族の方、ボランティアの方など読者の方ならどなたでもOKです。テーマや内容は自由ですので、ぜひ皆様の原稿をお寄せください。
● 今月の内容
・お知らせ
・ロバの耳より情報
・岡山県視覚障害者協会主催文芸作品コンクールの結果報告
・読者の声
・職員自己紹介
・所長の雑談
・ICT超入門
・センターを会場に行なわれている定例会
・行事のご案内
・人気のある点字図書のご案内
・新刊図書のご案内
をお伝えします。
● お知らせ(6件)
1.12月・1月の行事予定
利用者の皆さん向けのセンターで行われる行事をお知らせしています。申し込みが必要な行事があります。休館日は毎週火曜日と1月8日(月)成人の日です。年末年始の休館日は、12月28日(木)から1月4日(木)までとなります。
開館時間は、午前9時から午後5時までです。図書整理日は、1月25日(木)で終日留守番電話対応とさせていただきます。なお、留守電にメッセージをお入れくださる場合は、ご用件と共に、お名前、ご連絡先をお入れくださいますようお願いいたします。
12月の行事予定
10日(日)PCVOL(ぷくぼる)
13日(水)岡山市視障協青年部スマホ勉強会
17日(日)岡山県視覚障害を考える会「どうしてますか交流会」、岡山市視障協青年部スマホ勉強会、サークルハーモニー
24日(日)OPK
27日(水)県視障協女性部
1月の行事予定
12日(金)視障協青年部ヨガ教室
14日(日)PCVOL(ぷくぼる)
28日(日)視覚障害を考える会「どうしてますか交流会」、OPK
2.リクエストのタイミングおよびリクエスト数について
皆様が当センターの図書貸出をご利用されていて、次回のリクエストをいつすればいいか迷われることがあるのではないかと思います。リクエストしていただいて、当センターでの準備期間と郵送期間を考えると、平均で1週間ぐらいかかると思われます。
したがって、全てご返却いただいてからでは、相当お待ちいただくことになってしまいますので、1週間ぐらいかかることを想定して、早めに次回のリクエストをしていただいても構いません。
その際のリクエスト数ですが、お手元に残っている数と今後届く予定の数が、それぞれ6タイトル以内になるようにお願いいたします。お手元に7タイトル以上ある場合は、6タイトル以内になるまで次回のリクエストをお待ちくださいますようお願いいたします。なお、メモリーの場合は、それぞれ1個以内でお願いいたします。
3. YouTube公式チャンネル開設のお知らせ
このたび岡山県視覚障害者センターのYouTube公式チャンネルも開設しました。URL(アドレス)は下記のとおりです。なお、ユーチューブを開いて、「岡山県視覚障害者センター」というキーワードで検索しても見つかります。
https://www.youtube.com/@ossfc
まだ動画は少ししかアップしていませんが、これからいろんな行事のご案内とか、ICT機器の操作の仕方を説明する動画を配信したいと思っています。ユーチューブをご覧になっている方は、よろしければチャンネル登録をお願いいたします。
4.X(旧ツイッター)公式アカウント
当センターでは、利用者や県民への情報提供のため、LINE公式アカウント、ユーチューブチャンネルに続いて、X(旧ツイッター)のアカウントをこのたび取得いたしました。ただし、Xはユーチューブと違って、ユーザー登録(アカウント作成)をしないと見ることができません。つい最近になってそのような制限が加わったようです。以前はアカウントを持っていなくてもだれでも見ることができました。ちなみにLINE公式アカウントもユーザー登録しないと見ることができません。
岡山県視覚障害者センターのX公式アカウントのURL(アドレス)は下記の通りです。
https://twitter.com/Xossfc
なお、Xを開いて、「岡山県視覚障害者センター」というキーワードで検索しても見つかります。皆さんのフォローをお待ちしています。
●ロバの耳より情報(1件)
1 「岡山県手話言語の普及及び聴覚障害、視覚障害その他の障害の特性に応じた意思疎通手段の利用促進に関する条例」の施行について
令和4年4月1日に施行された、いわゆる「手話言語条例」が今年になって「岡山県手話言語の普及及び聴覚障害、視覚障害その他の障害の特性に応じた意思疎通手段の利用促進に関する条例」に変更され、その対象を聴覚障害からすべての障害に広げる一部改正が行われ、令和5年4月1日に施行されました。
その条例によると、岡山県の責務として次のようなことが定められています。
・県は、障害のある人及び手話通訳者・点訳奉仕員等の協力を得て、基本理念に対する県民の理解を深めるよう必要な施策を講ずるものとする。
・県は、障害のある人が県政に関する情報を速やかに取得することができるよう、手話・点字等を用いた情報の発信に努めるとともに、情報の発信に当たっては、インターネットの利用及び情報通信技術の活用に配慮するものとする。
・県は、市町村その他の関係機関と連携し、手話通訳者・点訳奉仕員等及びその指導者の確保、養成及び手話・点字等の技術の向上を図るものとする。
・県は、学校教育において、基本理念及び手話・点字等に対する理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
この条例によって、点訳・音訳ボランティアが増えたり、点字や視覚障害者に対する県民の理解が広まったりすることを期待しています。
●令和5年度岡山県視覚障害者協会主催文芸作品コンクールの結果報告
今年度も多くの方からたくさんの応募があり、関係者としてうれしく思うと同時に、ご協力くださった皆さんに心から感謝いたしております。
今回は川柳に12名から32句、俳句にも12名から32句、短歌に8名から21首が寄せられました。その中から入選された作品をご紹介します。川柳の場合は佳作も3句選んでいただきました。来年度も今年と同じように行いますので、皆さんふるってご応募ください。お待ちしています。
文芸作品審査結果および講評
(1) 川柳の部
選者 従野健一(よりの けんいち)先生
天 S.Rさん
視障恊 バトンつないで 七十年
【選評】視障恊の組織が七十年も続いたのは皆様の努力の賜物で拍手を送りたいと思います。「バトンつないで」の表現が良かったです。
地 T.Mさん
祝い膳 主役にどんと 桜鯛
【選評】 お祝いの席には昔から「鯛」が主役になっておりそれはいまでも変わらない。堂々とした句です。
人 N.Tさん
温暖化 地球をどこへ 連れて行く
【選評】 地球は今温暖化で大変なことになっている。地球はどうなってゆくのだろう?みんな力を合わせて対策しないと大変なことになるのでは。
佳作1 T.Mさん
はつサンマ 高くて買えず 鯛を買う
【選評】 サンマよりも鯛の方が買いやすい、と言うのは考えられないことで、世評をうまくとらえた句です。
佳作2 I.Kさん
名月を 祝う里芋 枯野原
【選評】 名月を祝うのは、だんご、ススキ、だったのが温暖化のため、枯野原になってしまった、という残念な気持ちがうかがえる句です。
佳作3 T.Mさん
わんちゃんも ケーキで祝う 誕生日
【選評】 誕生日は家族みんなでお祝いするのだけどわんちゃんも加わるという、川柳らしいおもしろい句です。
(2)俳句の部
選者 土師康生(はじ やすお)先生
天 K.Mさん
蝙蝠の恋の終わりか闇静か
【選評】 「蝙蝠」は夏の季語です。猫や蝶など俳句に用いるのは、よく拝見しますが、蝙蝠を取り上げたのは、意外性がありました。蝙蝠の繁殖期は7月~8月で、晩夏になるころにはおとなしくなります。夏の終わりの寂寥感は、どこか祭のあとを感じさせます。結句の「闇静か」が効いています。
地 S.Rさん
ひなたぼこ腹見せ眠る盲導犬
【選評】 読んでいて、思わず微笑ましくなる一句です。歌会の折でも盲導犬は静かに座っています。気を張りつめているのでしょう。その盲導犬がリラックスして腹を見せ、昼寝をしている。のどかで、優しい気持ちになった詠み手の心がよく反映された一句ですね。
人 K.Tさん
向日葵の凛と空見て未来見て
【選評】 のびのびとした詠みぶりを買いました。やはり向日葵がもつイメージは、明るく伸びやかなもの。向日葵の視線の先には、空があり、未来がある。そう思って、日々をすごしていきたいものです。
(3)短歌の部
選者 土師康生(はじ やすお)先生
天 F.Hさん
呼吸合わせ瞳合わせて耳悪しき夫妻がつくる「ふれあい理容室」
【選評】 わたしが、担任で受け持った中に、ろうあの女生徒がいました。その生徒とコミュニケーションをとるときはいつも、彼女と「呼吸合わせ瞳合わせて」といえるような思いでした。短歌にでてくる文字通りの「ふれあい理容室」。表現すべき内容が、過不足なく使われており、結句の字余りは、ここでは余韻を出している効果があると言えます。
地 S.Tさん
この秋も鹿の角切るセコたちが皆の安全願いのこ引く
【選評】 一首の中に、立派な角を持ち、自由に動き回ろうとする鹿の姿、勢子と呼ばれる、鹿を追い込んでいく男たちの姿。その勇壮さが表現されていて、ダイナミックな歌です。この一連の行事は安全祈願のために行われるわけですが、動きと願いがよく調和している短歌になっています。
人 T.Mさん
白杖に「ご一緒しましょう」と細い腕微かに流れたレモンの香り
【選評】 サポートをしてくれた人物は、「細い腕」や「レモンの香り」の言葉から女性と考えられますね。詠み手が感じている、嬉しさや心弾む感じが素直に表現されています。短歌を苦吟して作ったのではなく、その時の状況や気持ちをありのままに詠んだと思われ、ストレートに伝わってくる一首です。
●読者の声(1件)
私の10年間の歩み O.M
こんにちは、岡山市のOです。私の10年間の「あゆみ」を聞いてください。
私は中途失明です。58歳8か月になった時、眼科の先生から「来るべき日が来ましたね」と言われました。この話を息子に伝えたら「おかん良かったなあ。もうこれ以上に悪くならんで。目が見えないから、あれができん、これができない、と、一切言葉にするな。どうしてもできないときは、相談には乗るが、手は貸さない。」と言われました。次の日から自分のことはすべてやりました。今もそうです。でも悲しいなんて思えません。自分のことです・・・。
外での出会いです。Yさんはとても歌が上手です。オンチな私に歌の楽しさを教えてくれました。押し花教室では自ら、イチゴ、ミニトマト、パセリなどを作りました。料理教室では、いろいろな野菜をカットできます。パソコンは絶対できないと思っていましたが、意外に楽しいです(まだ2年と5か月です)。パソコン用語はチンプンカンプンです。(苦笑)ピアノ教室では、家から遠いですが楽しく鍵盤をたたいています(歌いながら)。
でも、今から思えば息子に言われた言葉が私を支えてくれたのです。「人に甘えるな。自分の道は自分で開け」と悟りました。ここまで来れたのも、この10年間私に関わってくれた方々のおかげです。感謝をこめて、ありがとうございます。
● 職員自己紹介(2件)
1.N.K
(1)当センターでの通算勤務年数
10年までは数えていました。それ以降わからなくなりました。両手の指を使えない数は数えられないのかと言われました。今では両手足を使っても数えられませんし、助っ人一人では数えられません。定年を過ぎ、再雇用で勤務しています。
(2)趣味
当初よりジャニーズの大ファンです。この世からジャニーズの名称が消えるのは淋しいですが、理由が理由だけに仕方がありません。
(3)好きな作家または本
泡坂妻夫、赤瀬川隼、江上剛、塩野七生。
横溝正史「蜃気楼島の情熱」 満潮時は島、その島に干潮時に歩いて渡れる事に、横溝正史は驚きだったようです。
村上龍「走れ、タカハシ」 タカハシとは高橋慶彦のこと。
(4)利用者の皆様へ一言
いつもご利用ありがとうございます。製作が面白くて、可能な限り関わっていきたいと思っていたのですが、いつまで続くかわからなくなりました。でも勤務する以上は頑張ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2.H.K
(1)当センターでの通算勤務年数
8カ月(今年4月1日から勤務しています。)
(2)趣味
サッカー観戦、映画・テレビドラマ鑑賞(主に韓国や日本の映画やテレビドラマを見るのが好きです)、音楽鑑賞
30代のころまでは読書が趣味と言えましたが、今はすっかりスマホ人間になってしまい、「読書は趣味」とは言えないほどに読書量が少なくなってしまいました。ただし、小説以外のものはまあまあ読んでいます。
(3)好きな作家または本
松本清張、森村誠一、遠藤周作、筒井康隆、帚木蓬生、佐々木譲、奥田英朗、重松清など。
小中学生の頃は星新一の短編小説や江戸川乱歩の明智小五郎シリーズやアーサー・コナン・ドイルのシャーロックホームズシリーズをよく読んでいました。時間を忘れるほど夢中になって読んだ本と言えば、大学生の時に読んだ五味川純平著『人間の條件』です。
(4)利用者の皆様へ一言
いつもご利用ありがとうございます。利用者の皆様が点訳・音訳図書を読むことで小説を楽しんだり知識を身につけたりしてくださることが私の喜びです。パソコンやスマホの使い方を覚えて、インターネットから多くの情報を得られるようになれば、もっと世界が広がります。ぜひICT機器にもチャレンジしてみてください。
●所長の雑談(第8回)
今回は11月に行われた3つの行事についてご報告します。
まず1つ目は、11月19日にアークホテルで開催された「岡山県視覚障害者協会法人設立70周年記念福祉大会」のことです。今から70年前、1953年(昭和28年)に岡山県視覚障害者協会(以下、協会)は社会福祉法人の認可を受けました。協会のホームページには、「岡山県視覚障害者協会は昭和2年11月6日、岡山県盲人協会として設立されました」と書いてあります。
当日は県内各地の協会員や来賓、受賞者の方々など約80名が集い、ホテルの大きな会場で盛大に式典と祝賀パーティーが開かれました。式典の前に、ちくわ笛で有名な住宅正人(すみたく まさと)さんの演奏と歌とお話があり、とても楽しませていただきました。式典ではまず初めに協会に貢献のあった方々の顕彰、そして点訳音訳ボランティアの皆さんへ感謝状が贈呈されました。また、70周年を記念して協会のロゴが作られ、披露されました。このロゴは川崎医療福祉大学の学生さんが考案されたもので、点字ブロックが地平線に向かって伸びていくようなデザインで、とてもシンプルで覚えやすいロゴです。この学生さんにも感謝状が贈呈されました。
2つ目に11月26日に当センターで行われた、岡山県視覚障害者協会主催の「点字に親しむ会」について報告します。約25名の方が参加され、点字の問題に熱心に取り組んでおられました。私も参加させていただきました。私は目で読むのでそれほど難しくはなかった(それでもいくつか間違えました)のですが、指で読む皆さんには難しい問題だったと思います。点字問題が終わってから、クイズ大会をしました。岡山県に関わるいろいろな雑学クイズでしたが、地元のことなのに知らないことも多く、勉強になりました。1つだけクイズを紹介します。「岡山市内でいちばん高い山は何でしょうか?」答えはインターネットなどで調べてみてください。
最後に「点字に親しむ会」と同じ日の午後に行われた「秋のうたごえ」です。この行事は当センター主催なのですが、コロナ感染拡大のため、過去3年間は中止していました。久しぶりの開催を心待ちにしておられた方も多く、約25名の皆さんが参加してくださいました。今年は歌の伴奏を当センター利用者のKさんに電子オルガンでしていただきました。休憩を挟んで2時間以上、昭和時代の懐かしい歌謡曲や文部省唱歌など30曲を歌いました。コロナ禍の3年間は大きな声を出して歌うことができなかったので、皆さんと一緒に歌うのはとても楽しかったです。来年度の「秋のうたごえ」では、1990年代以降の新しい曲も歌集に加えますので、ぜひご参加ください。
●ICT超入門(第8回)
今回は、パソコンとは何か、パソコンで何ができるのかについて書きたいと思います。
まず用語の説明からですが、パソコンは「パーソナル・コンピューター」を略したもので「個人向けのコンピューター」という意味です。コンピューターを日本語に直せば「電子計算機」です。もっと詳しく説明すると、電子的な方法でデータを処理し、計算や情報の検索・分析などを行う機械のことです。コンピューターは、プログラムに従ってデータを操作し、さまざまなタスクを実行することができます。パソコンの種類としては、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン(略してスマホ)などがあります。
しかし、一般的にパソコンと言えば、デスクトップパソコンとノートパソコンのことを指しており、iPadなどのタブレットやiPhoneなどのスマホをパソコンと呼ぶことはありません。とは言っても、タブレットやスマホはパソコンと同じようなことができる機械です。ふつうのパソコンと違って、それらは携帯性に優れたパソコンと言えるでしょう。
では、パソコンではないコンピューターは何でしょうか。それはスパコン(スーパーコンピューター)です。スパコンは一般的なパソコンの数十万倍の非常に高速な計算処理ができるコンピューターです。余談ですが、神戸市の理化学研究所にあるスパコン「富岳(ふがく)」が11月14日、スパコンの性能を競う世界ランキングの2部門で世界一を守ったという報道がありました。
次にパソコンで何ができるかについて書きます。視覚障害者の皆さんにとっては、まず墨字文書を作成することができるというのが最も役に立つ機能だと思います。プリンターがあれば、紙に印刷することもできます。1986年に視覚障害者用の音声ワープロが発売されるまでは、全盲の人が自力で漢字仮名まじり文の文書を作成することはできなかったのですが、パソコンによってそれが可能になりました。
当センターの利用者の皆さんは読書がお好きな方が多いと思いますが、パソコンを使えば点訳図書や音訳図書のデータを読むことができます。点字が読めなくても、点字データをスクリーンリーダーで読み上げさせることができます。また点字の触読ができる方は、点字ディスプレイという機械をパソコンと接続すれば、紙に印刷しなくても点字で読むことができます。
パソコンをインターネットに接続すれば、電子メール(最近は略して「メール」で通じます)で、封筒やハガキや切手を買わなくても、世界中のいろいろな人に墨字の文書をあっという間に送ることができます。メールには写真や文書のデータを添付して送ることもできます。このように便利なメールの普及で年賀ハガキも売れなくなってしまいました。また、インターネットでニュースを読むこともできます。テレビやラジオは一方通行で、自分で聴きたいニュースを選ぶことができませんが、インターネットなら自分で興味のあるニュースを選んで読むことができます。
パソコンを使うことにより、生活の質も向上すると思います。高額な費用はかかりますが、もし興味のある方はチャレンジしてみてください。当センターでも毎月第2と第4の日曜日にパソコンボランティアが視覚障害者の方を対象にパソコン利用のサポートをしています。パソコンを持たれていなくても、当センターには体験用のパソコン、iPad、iPhoneがありますので、ぜひご参加ください。
●センターを会場に行なわれている定例会(4件)
1.ヨガ教室(主催:岡山県視覚障害者協会青年部)
(1)開催日(1月以降)
毎月第2金曜日、13時半から14時半まで
令和6年1月12日、2月9日、3月8日
(2)参加費
岡山県視覚障害者協会会員1回500円
非会員1回1000円
ヘルパーさんが参加される場合も同額
(3)参加申込
前の週の金曜日までに岡山県視覚障害者協会事務局へお申し込みください。講師の先生に直接お申し込み頂いても結構ですが、事務局にも必ずご連絡願います。
(4)お問い合わせ・お申込先
岡山県視覚障害者協会事務局
電話 086-250-8855
メール ossk-33@po1.oninet.ne.jp
(5)その他
運動しやすい服装で、飲み物をご持参のうえご参加ください。
2.パソコン・スマホ勉強会(主催:PCVOL、OPK)
PCVOL(ぷくぼる)とOPKという二つのパソコンボランティア団体があり、毎月定例会を当センターで行っています。どなたでも自由に参加でき、ボランティアによるサポートを受けることができます。PCVOLは第2日曜日の10時~16時に、OPKは第4日曜日の13時~16時に開催しています。参加費は無料ですので、どうぞお気軽にご参加ください。事前申し込みは不要ですが、できればサポート希望内容を電話で当センター(086-244-1121)まで事前にご連絡くださるとサポートがしやすいです。
(1)PCVOLの例会日(12月以降)
12月10日、令和6年1月14日、2月11日、3月10日
(2)OPKの例会日(12月以降)
12月24日、令和6年1月28日、2月25日、3月24日
3.川柳と短歌教室(主催:岡山県視覚障害者協会)
視覚障害のために点字も普通文字も自由に使えない人も自由に参加できる教室です。
(1) 開催日
偶数月の第1水曜日
次回は、令和6年2月7日
(2)日程
10時~12時 川柳教室
12時~13時 休憩・昼食
13時~15時 短歌教室
(3)年会費
川柳と短歌それぞれ3000円
4.どうしてますか交流会(主催:岡山県視覚障害を考える会)
目が不自由になってこんな事が困った、何かいい方法ないかな。いろんな悩みや思いを聞いたり話したりしてみませんか。昨年10月からセンターで開催しています。会場とオンラインで隔月開催しています。
(1)開催日(12月以降)
(ア)会場開催(下記日曜日の午前10時~12時)
12月17日、令和6年1月28日、3月31日
(イ)オンライン開催(下記金曜日の午後8時~9時半)
令和6年2月23日
(2)参加方法
会場開催については、岡山県視覚障害者センター3階にお越しください。
(3)対象
目の不自由な方と家族の方々
(4)参加費
無料
●行事のご案内(1件)
1 こまくさハイキングクラブの1月例会案内(主催:こまくさハイキングクラブ)
来年の例会は、原則として毎月第3日曜日(8月は除く)にレギュラーコースの例会を行います。また、原則として奇数月の第1土曜日(1月は除く)にソフトコースの例会を行います。来年も多くの方のご参加をお待ちしています。
1月例会についてお知らせします。
日にち:1月21日(日)
行き先:吉備の中山・竜王山(170m)
申し込み締め切り:1月17日(水)
● 人気のある点字図書のご案内
全国の点字図書リクエストランキングの中から選んでご案内いたします。どうぞご利用ください。今月は16タイトルあります。現在全国でリクエストの多い図書のため予約になるかもしれませんが、お待ちくださいますようお願いいたします。また、同じタイトルの録音図書が貸出可能な場合も多いので、録音図書がご希望の場合はその旨お知らせください。
分類のあとに該当するタイトルを並べています。それぞれのタイトルについては、書名、著者名、原本出版年、点字巻数、内容等の順に記載しています。
・倫理学、道徳
「ほどよく忘れて生きていく:91歳の心療内科医の心がラクになる診察室」藤井英子著 2023年 2巻
・社会科学(全般)
「過剰可視化社会:「見えすぎる」時代をどう生きるか(PHP新書)」與那覇潤著 2022年 3巻 数値化、エビデンス、タグ化が求められ、価値の「見える化」が過剰に進行するコロナ後の社会を考察。人文学の方法論の壁を超えて「見えない信頼」を取り戻す方法を提言する。
・社会
「50歳からの性教育(河出新書)」村瀬幸浩、高橋怜奈、宋美玄、太田啓子、松岡宗嗣、斉藤章佳、田嶋陽子著 2023年 3巻
・数学
「面白くてやめられない!人生の数学:あれもこれも数学で解決できる!(TJ MOOK)」横山明日希監修 2022年 3巻
・医学
「10秒押すだけ!痛みを治す最強の整体:攻めるべきは「トリガーポイント」」迫田和也著 2020年 1巻
・家政学、生活科学
「ぜんぶ簡単どんぶり(はらぺこスピードレシピ)」きじまりゅうた著 2017年 1巻
・日本文学-小説、物語
「お邪魔してます、こたつ犬(富士見L文庫)」尼野ゆたか著 2022年 3巻 東京でOL生活中の宏美が帰宅すると、部屋には何故か、こたつに入った喋る犬がいて!?
「SOSの猿」伊坂幸太郎著 2009年 5巻 男が従姉から依頼されたのは、なんと引きこもりの甥の悪魔払い。困惑する男だが…。
「残り全部バケーション」伊坂幸太郎著 2012年 4巻 表題作など、裏稼業を営む男二人をめぐる全5編の連作集。
「あつあつを召し上がれ(新潮文庫)」小川糸著 2014年 2巻 ときにほろ苦く、ときに甘く優しく、身も心も温めてくれる、食卓をめぐる7つの感動の物語。
「週末の人生:カフェ、はじめます(双葉文庫)」岸本葉子著 2019年 3巻 イケてない40代シングル女子が、かわいい古民家にひと目惚れ。おむすびカフェ開業を目指して一念発起! 大家の風変わりな老女と娘、行政書士や旧友をも巻き込みドタバタ騒動。
「夕暮れに、手をつなぐ」北川悦吏子作 百瀬しのぶノベライズ 2023年 2巻 不思議な運命の巡りあわせから同居することになった空豆と音。デザイナーとコンポーザーと、それぞれの夢をひたむきに追いかけるふたりの恋のゆくえは…。
「生命の略奪者(新潮文庫nex 天久鷹央の事件カルテ 8)」知念実希人著 2022年 4巻 現役医師が描く本格医療ミステリ!
「あんじゅう:三島屋変調百物語事続」宮部みゆき著 2010年 6巻 江戸は神田、袋物屋の三島屋には、不思議を語る部屋がある。ほっこり可愛く、ちょっと奇妙で、きゅんと切なく、ぞおっと怖い、四つの話のはじまりです。
・(児童向け)日本文学-小説、物語
「ふしぎ駄菓子屋銭天堂 12」広嶋玲子作 2019年 2巻 銭天堂の駄菓子を買った客をつきとめ、リサーチをおこなう紳士。彼はいったい何者なのか? 人気シリーズ第2シーズン開幕。
・(児童向け)英米文学
「少年少女世界名作の森 18 不思議の国のアリス」ルイス・キャロル著 1990年 2巻 チョッキを着たウサギを追いかけていたら、穴の中へ…。不思議な世界に迷い込んだ少女アリスの運命は?
● 新刊図書のご案内
センターで新しく受け入れた図書をご案内します。どうぞご利用ください。今月は、デイジーが23タイトル、点字が1タイトルです。
ご希望の図書が貸出中の場合は予約となりますので、お待ちくださいますようお願いいたします。返却期限は、お手元に2週間以内です。延長を希望される場合は、ご連絡をお願いいたします。
メモリーに複数タイトル(10タイトル以内)のデイジーや点字データを収録しての貸出も可能です(一部収録不可能な図書もあります)。その場合の返却期限は、お手元に1ヶ月以内です。
ご利用いただける図書は、目録や新刊案内にあるものに限りません。書名がわからない場合でも、ご希望の著者や内容などからお探しします。当センターで所蔵していないものは、全国のネットワークを利用してお探しします。図書選びの参考になるような図書や雑誌もありますので、どうぞご利用ください。
なお、センター取り扱い雑誌(約80種類)の継続利用は、図書貸出とは別枠でご利用いただけます。
ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
◎録音図書
○一般向けの本
・医学(1タイトル)
書名 最悪の予感:パンデミックとの戦い
マイケル・ルイス著 中山宥訳
デイジー13時間21分
発行 早川書房 2021年
内容 世界健康安全保障指数1位のアメリカで、なぜ新型コロナウイルス感染症は拡大したか。コロナ禍を戦った人々の姿から、意思決定と危機管理の本質を描く。
・スポーツ、体育(3タイトル)
書名 伝わる言葉。:失敗から学んだ言葉たち
須江航著
デイジー2時間42分
発行 集英社 2023年
内容 「伝わる言葉」を手にした裏には多くの挫折と失敗、敗戦があった。仙台育英学園高等学校硬式野球部監督が、あらゆる場で求められる「伝わる対話力」を自身の過去、経験から語りつくす。
書名 プロ野球怪物伝:大谷翔平、田中将大から王・長嶋ら昭和の名選手まで
野村克也著
デイジー5時間57分
発行 幻冬舎 2019年
内容 野村克也が嫉妬する“怪物”とは? 元祖・怪物、江川卓。実は技巧派だった平成の怪物、松坂大輔。名手クレメンテを彷彿とさせる、3拍子揃った新時代の怪物、山田哲人…。38人の“常識はずれ”な男たちについて綴る。
書名 SHO-TIME:大谷翔平メジャー120年の歴史を変えた男
ジェフ・フレッチャー著 タカ大丸訳
デイジー11時間14分
発行 徳間書店 2022年
内容 ショウヘイの本質は、野球そのものと試合を可能な限り楽しもうとする姿勢にある-。全米が驚嘆した大谷の凄さと秘密を、1460日間密着した番記者が徹底解明する。
・諸芸、娯楽(1タイトル)
書名 藤井聡太はどこまで強くなるのか:名人への道(講談社+α新書)
谷川浩司著
デイジー6時間12分
発行 講談社 2023年
内容 最年少名人記録は破られるのか。それとも、彼に勝つ棋士が現れるのか-。棋界における名人位の意味、過酷さを増す戦い、そのすべてを知るレジェンドが、さらに進化する藤井将棋に迫る。
・日本文学-小説、物語(10タイトル)
書名 同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬著
デイジー16時間12分
発行 早川書房 2021年
内容 ドイツとソ連との戦争が激化する1942年、母をドイツ軍に惨殺された少女は、復讐のため、狙撃兵になることを決意する。2022年本屋大賞受賞。
書名 風巻:伊豆春嵐譜
鳴神響一著
デイジー8時間27分
発行 早川書房 2021年
内容 明治7年、南伊豆・入間村の漁師は、ある異人の命を救った。匿えばお咎めを受けると知りながら、彼は異人を助けると決意し…。史実を元にした物語。
書名 太郎物語 大学編
曽野綾子著
デイジー11時間45分
発行 新潮社 1982年
内容 東京の高校3年生・山本太郎は名古屋の大学へ入学する。地方で初めての一人暮らしにジタバタしながら、大学の同級生や教授、同じマンションに住むお妾さん、東京の友人、ガールフレンドたち、両親らの間で成長していく姿を描く。
書名 細雪 上(新潮文庫)
谷崎潤一郎著
デイジー8時間
発行 新潮社 1962年
内容 戦時へと移りゆく昭和10年代の船場と蘆屋を舞台に、上流家庭の美しい4姉妹の生き様を絢爛と描く。
書名 細雪 中(新潮文庫)
谷崎潤一郎著
デイジー9時間50分
発行 新潮社 1962年
書名 細雪 下(新潮文庫)
谷崎潤一郎著
デイジー12時間30分
発行 新潮社 1962年
書名 あなたが誰かを殺した(加賀恭一郎シリーズ)
東野圭吾著
デイジー11時間5分
発行 講談社 2023年
内容 閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。そこに、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎が現れ…。
書名 百年小説
ポプラクリエイティブネットワーク編集
デイジー32時間26分
発行 ポプラ社 2008年
内容 四季折々の懐かしい風物、温かな人影、時の移ろい-。森鴎外、夏目漱石、志賀直哉、川端康成、太宰治など51人の日本の作家による、明治から昭和初期までの傑作短篇を収録。
書名 「百年小説」の愉しみ:文壇と作品誕生物語
秋山稔編集
デイジー3時間39分
発行 ポプラ社 2008年
内容 「百年小説」収録作品の背景や文壇の交友関係など、作品をさらに深く楽しむためのハンドブック。
書名 探偵は追憶を描かない(ハヤカワ文庫)
森晶麿著
デイジー7時間28分
発行 早川書房 2021年
内容 彼女と別れ、浜松の友人の家で暮らす売れない画家。彼が受けた電話から、以前描いた女優の肖像画を巡る事件に繋がり…。「探偵は絵にならない」の続編。
・中国文学(1タイトル)
書名 三体
劉慈欣著 大森望、光吉さくら、ワンチャイ訳 立原透耶監修
デイジー18時間18分
発行 早川書房 2019年
内容 物理学者の父を文化大革命で亡くした女性科学者は、軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命に関わる計画が進んでいた。ドラマ原作。
・英米文学(5タイトル)
書名 ビンティ:調和師の旅立ち(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
ンネディ・オコラフォー著 月岡小穂訳
デイジー15時間11分
発行 早川書房 2021年
内容 数学の才能を持ち、名門大学への入学資格を得た少女。宇宙船に乗り大学を目指すが、異種族に襲撃され…。表題作ほか2編を収録。
書名 ストーンサークルの殺人(ハヤカワ・ミステリ文庫)
M.W.クレイヴン著 東野さやか訳
デイジー15時間13分
発行 早川書房 2020年
内容 英国のストーンサークルで次々と発見される焼死体。被害者の体にはなぜか停職中の警察官の名が刻みつけられていた…。
書名 ブラックサマーの殺人(ハヤカワ・ミステリ文庫)
M.W.クレイヴン著 東野さやか訳
デイジー13時間17分
発行 早川書房 2021年
内容 刑事ワシントン・ポーはかつて一人の男を刑務所送りにした。だが男が殺したとされる娘が生きていた。冤罪疑惑が持ち上がり、ポーは窮地に立たされる。
書名 ホロスコープは死を招く(ヴィレッジブックス)
アン・ペリー編著 ピーター・トレメインほか著 山本やよい訳
デイジー18時間44分
発行 ソニー・マガジンズ 2006年
内容 ピーター・ラヴゼイ、ローレンス・ブロック、ピーター・トレメインほかミステリーの名手が織りなす16篇の華麗なアンソロジー。
書名 Arc:ベスト・オブ・ケン・リュウ Arc and other stories
ケン・リュウ著 古沢嘉通編・訳
デイジー8時間32分
発行 早川書房 2021年
内容 人間の死体にポーズを取らせた作品を作る才能を持つ女性。彼女の恋人は死を克服したいと考えており…。映画原作となった表題作など全9編を収録。
○児童向けの本
・スポーツ、体育(1タイトル)
書名 すごいグラウンドの育て方:阪神甲子園球場のひみつ
金沢健児著
デイジー2時間23分
発行 Gakken 2023年
内容 毎日、芝や土の表情がちがう。もしかして生きてる!? 阪神甲子園球場の外野の芝と内野の土を整備する阪神園芸のグラウンドキーパーが、グラウンドの育て方と自分たちの仕事について紹介する。
・英米文学(1タイトル)
書名 12歳のロボット:ぼくとエマの希望の旅(ハヤカワ・ジュニア・SF)
リー・ベーコン著 大谷真弓訳
デイジー7時間58分
発行 早川書房 2021年
内容 ロボットによって人間が排除された未来。ある日、12歳のロボットは、いるはずのない人間の少女と出会う。ロボットと少女の冒険を描くSF小説。
◎点字図書
○一般向けの本
・日本文学-評論、エッセイ、随筆(1タイトル)
書名 明日は味方。:ぼくの愉快な自転車操業人生論 直木賞作家が初めて語る「人生峠」を越える応援歌!
山本一力著
点字1巻
発行 集英社 2013年
内容 生きていれば明日はくる。巡り来る明日を味方につければ、自分の力で難儀を乗り越えられる-。自転車好きの直木賞作家・山本一力が、半生を振り返りながら、体験的人生論を語る。
(終わり)