岡山県視覚障害者センター 指定管理 令和5年度 事業報告書 1 基本方針  視覚障害者情報提供施設としての業務活動を通して、利用者の生活の質的向上と福祉の増進に寄与することを目的とする。 2 実績報告 (1)利用者の状況  岡山県下に在住する視覚障害者(身体障害者手帳の有無に関わらず)のうち、本人の意思で登録申請を済ませた人を対象にサービスを行った。登録者が県下の視覚障害者の15%弱にしか達していない。多くが情報弱者のままで、QOLも低いのではないかと思われる。協会本部・岡山県眼科医会・市町村の障害福祉窓口担当者と協力し、登録者の増加に努め、34人の新規登録者があった。しかし、既登録者の中で亡くなられる方などもあり、その結果、登録者数は3人減となり、15%に至らなかった。利用登録者のうちサピエの登録者数は約50%である。 (ア)センター利用者登録数 既登録者数 652人 新規登録者数 34人 登録抹消者数 37人 現在数 649人 (イ)サピエの登録者数 前年度末数 296人 新規読者数 23人 解約者数 5人 本年度末数 314人 (2)図書貸出状況 (単位:書名数) 点字図書 図書193、雑誌173 録音図書(テープ) 図書7、雑誌0 録音図書(デイジー等) 図書3690、雑誌7655 (3)図書製作状況  図書製作に当たっては、利用者3名を含む図書選定委員会をメーリングリストで月1回開催した。毎回およそ20から30タイトルが推薦され、その中から投票により、上位5タイトルを採択した。採択図書から当センター所属の点訳朗読ボランティアが図書製作を行っている。 (ア)サピエへの年間登録数 (単位:書名数) 点字図書 7 テープ図書 0 デイジー図書 38 テキストデイジー 0 (イ)プライベート点訳・朗読サービス状況 点訳件数 3 朗読件数 28 テキストデイジー 0 (4)施設利用の状況  視覚障害者の教養文化活動のための施設利用の促進を図るため、カルチャー教室の開催、視覚障害者の諸団体や視覚障害者に関わるボランティアグループへ会議室等の貸出を行った。年間の来館者数は3690人だった。 《会議室の利用状況》 ※単位は使用回数(回) 第1会議室 9 第2会議室 156 第3会議室 272 料理室 24 3 各事業の報告 (1)点訳・朗読奉仕員養成事業  点訳10人程度、朗読15人程度の受講生を、県広報紙・ホームページ等で公募し、点字技能師やプロのアナウンサーを講師に迎え、年間20回の講座を開催し、修了者(点訳9人、朗読15人)を当センター所属ボランティアとして登録した。 《実施状況》 ※単位は人数 前年度までの累計 点訳講座 284 朗読講座 456 R5年度中の新規受講者 点訳講座 12 朗読講座 16 R5年度中の修了者 点訳講座 9 朗読講座 15 修了者の累計 点訳講座 293 朗読講座 471 R5年度中に活動実績のある者 点訳講座 74 朗読講座 225 (2)自立支援拠点活動支援事業  「みちしるべ」に協力し、中途視覚障害者を対象に、電話・メール・ズーム・来所などの方法で、福祉制度に関する相談、点字・歩行の指導、視覚障害者用のICT機器の利用サポート、視覚障害者用の日常生活用具の紹介等を行った。 (3)点字即時情報ネットワーク事業  日本視覚障害者団体連合が土日を除く毎日配信する最新のニュース(点字JBニュース)を点字プリンタで出力し、迅速に利用者に郵送した。現在利用者は17人であるが、今後とも利用者を増やすよう努力したい。 (4)視覚障害者日常生活情報サービス事業  視覚障害者の日常生活に必要な情報を点字版、デイジー版、メール版などで利用者に届ける「センターだより」「あゆみ」「タウン情報おかやま」等を発行した。また、活字を読むことが困難な視覚障害者を対象に対面朗読サービスを行った。 (5)視覚障害者関係研修事業  点訳・朗読ボランティアのリーダーに研修会に参加してもらい、技術の向上及び地域ボランティアの資質向上と活性化に努めた。 (6)サピエ図書製作ボランティア養成事業  点訳・朗読奉仕員養成講座修了者を対象に、サピエ図書製作ボランティアを養成する研修を実施した。点訳については点字に関する資格を有した講師を、朗読についてはプロのアナウンサー経験のある講師を選定した。 (7)その他視覚障害者の福祉向上のための事業 (ア)ICT機器の利用サポート  視覚障害者の情報取得や読書に必要なパソコン等をスクリーンリーダーを利用して使う方法について、パソコンボランティア団体の協力を得るなどして、来館やZoomや電話などの方法で日常的にサポート活動を行った。 (イ)広報活動  県内の視覚障害者及び家族等へ当センターの存在や役割を周知するため、ホームページ、ユーチューブチャンネル、LINE公式チャンネル等のSNSを活用し、広報活動を行った。  また、7月、10月、2月の年3回、県障害福祉課の協力を得て、市町村の福祉の窓口担当者にセンターの体験会を計画し実践した。重度の視覚障害者も音声パソコン等のICT機器を利用すれば多くの情報を取得できることを理解してもらった。 (ウ)利用者ニーズの把握  利用者ニーズの把握のため、アンケートを実施し、管理運営の参考にした。対象者はセンターだよりの読者(センターの利用者)とし、メール・点字・活字版・デイジー版で504名に送り、113名から回答があった。回収率は22.4%で、回答者数も回収率も前年度を上回った。 ここまで