岡星寮だより第51号(テキスト版)
こうせい寮だより 第51号 令和2年7月1日発行こうせい寮だより挨拶 こうせい寮長 加藤 あきら こうせい寮の寮長に就任して早いものでもう4年目を迎えましたが、感慨に浸る間もなく、新年度早々に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発せられ、今も戸惑いの真只中です。岡山県を含む39県では、5月14日に緊急事態宣言が解除され、図書館やデパートその他の小売店舗の営業が再開されるなど、制限はだいぶ緩和されましたが、なお密閉・密集・密接を避け、相互の人的距離を保つといった感染拡大防止対策が求められていることに変わりはありません。 こうせい寮は居室が基本的に多人数の相部屋であるなど施設の構造上、効果的な感染症対策を講じる上での制約も少なくありませんが、何よりも利用者の皆さん一人ひとりの命と健康を守ることが最優先ですから、今までにも増して、検温、マスクの着用や手洗い、階段や手すり・ドアノブの消毒、居室の換気等の対策に取り組んでいます。 こうした中、利用者の皆さんが楽しみにしている毎年5月の日帰り旅行は延期せざるを得ず、外食もテイクアウトできるメニューに限られるなど、例年通りの行事が実施できなくなっていますが、とりわけ県外への帰省や県外からの面会の自粛をお願いしたことは、行政からの要請を受けてのこととはいえ、また、利用者の皆さんの命と健康を守るためとはいえ、利用者とご家族が触れ合える機会を奪うことが本当に許されるのか、私としては内心忸怩たる思いです。(余談ながら、ベルギーのソフィー・ウィルメス首相は「好きな人に会いに行くのは必要不可欠な外出と考えている。」と発言されたようで、私にはとても共感できる言葉です。) もちろん、行動制限を受けるのが短期間で済むのなら、一時の辛抱と割り切ることもできるでしょうが、新型コロナウイルス感染症を克服するためには、効果的なワクチンが開発されるか、私たちの60~70%が感染して集団免疫を獲得する以外にないとされていますから、おそらくこの先1・2年は自粛と緩和を繰り返しながら「巣籠もり状態」を続けざるを得ないと予想されます。とりわけ、第二波の到来は避け難く、ウイルスの変異により被害が大きくなることも予想されており、仮に今回の蔓延が一旦沈静化したとしても、なお警戒を怠ることはできません。 そうだとすれば、この秋のこうせい寮祭も年末の忘年会も、従来と同じやり方での実施は困難かとも思われますが、先の見えない閉塞感の中で利用者の皆さんに蓄積していくストレスをどう解消するか、また、どうすればこれまで営々と築いてきたボランティアの方々との繋がりを保てるのか、職員を挙げて考えて行かなければなりません。 大方の人は感染しても無症状か軽症で済む反面、一部の人、特に基礎疾患のある人や高齢者は重症化し、重篤な状況に陥ることもあるという、ジキルとハイドのような二面性を持った新型コロナウイルスと対峙し、利用者の皆さんの命と健康を守りながら、利用者の皆さんが日々の生活の中に喜びを見つけられるようにするためにはどうすれば良いのか、私たちも一生懸命に考え工夫していますが、ご家族の皆様方やボランティアの方々におかれましても、引き続きのご支援ご協力のみならず、積極的なご助言・ご提言を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。 なお、こうせい寮は築後48年が経過し、老朽化が進んでいることから、かねて懸案となっている建替えに向けて適地を探しておりましたが、今般、用地取得の目処が立ちましたので、この場をお借りしてご報告いたします。 取得する用地はJR東岡山駅北口から北に向かって約180mの場所に位置し、JR山陽本線、赤穂線が利用できるほか、宇野バス(前土田)バス停からも徒歩で150mと交通の便に恵まれています。また、現在、すぐ近くで都市計画道路(竹田升田線)の工事が進行中であり、そう遠くない将来、JRの踏切を渡ることなく国道250号線へのアクセスが可能となる見込みです。 今は土地売買契約を締結し手付を支払った段階ですが、建替用地として造成工事を行うためには、今後、都市計画法に基づく開発行為の許可と農地法に基づく農地の転用許可を得る必要があります。建設工事の着工に向けては、さらに所轄庁からの補助金交付や福祉医療機構・金融機関からの融資に向けた協議など、クリアしなければならない課題も多く、必ずしも先行き平坦とは言えませんが、当面、年度内に造成工事が完了するよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆様方のさらなるご支援とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
家族会総会について 生活支援員 熊代 功 ご家族の皆さまには日頃から家族会活動へのご協力ありがとうございます。 お手紙でもお知らせしましたように新型コロナウィルスの拡大防止のため、今年度の家族会総会は中止となりました。役員改選の年度でしたが会長、副会長の話し合いにより議決を行い役員の変更は行わず、来年度に役員の改選を行うことを決定しています。 まだコロナウィルスの状況がどのように変化していくのか見通しがつかない状況ですが、今後とも家族会へのご協力どうぞ宜しくお願い致します。
こうせい寮スポーツ大会 生活支援員 小野夏子 岡﨑孝 第20回岡山県障害者スポーツ大会が新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、中止になりました。今回はこうせい寮から13名の方が参加予定でした。利用者の皆さんも「仕方がないな」と言いながらも大会に向けて練習をしていたのでとても残念そうでした。そこでこうせい寮スポーツ大会を計画しました。 4月25日、晴天のなか、フライングディスク大会を寮庭で開催しました。仲間の声援を聞きながら思い思いのフォームでディスクを投げました。表彰式ではメダルを加藤寮長からかけてもらい「家族にも見せてあげたいな」「普段もらうことがないから嬉しい」ととても嬉しそうな表情をされていたのが印象的でした。 また、「来年のスポーツ大会には今度こそ岡山ドームに行きたい」「これからも練習を頑張ろう」と皆さんが意気込みを見せられていた場面を見て、規模を縮小しての開催となりましたが、開催して良かったと職員も元気をもらえました。 5月30日、卓球(サウンドテーブルテニス)大会を会議室で開催しました。机を並べた簡易的な台でしたがラリーが続き試合さながらの白熱した様子でした。 行事の中止や外出の自粛で我慢をしていただく日々が続いていますが、少しでも楽しい時間を過ごしてもらいたいと今後も考えています。
令和2年度家族会役員名簿(令和2年4月1日~令和3年3月31日)会長 八杉一正さん副会長 山根俊二さん・中尾年晴さん・三宅幸江さん理事 小山 栄さん・佐藤邦子さん・塩田順三さん・岡 雅之さん監事 川崎昌之さん
コロナウィルスの影響による毎年恒例行事の変更・中止について 生活支援員 渡辺 弘 皆様ご周知の通り、昨今のコロナウィルスの感染拡大に伴う影響を考慮して、こうせい寮においても感染症対策の徹底、また外出自粛により、4月の家族会総会中止、5月の日帰り旅行延期の措置が取られました。何より利用者さんの健康と安全を第一に考え、早期に適切に実行することが我々職員の使命であります。利用者さんには毎年楽しみにされていた行事や外出が中止となり、我慢やストレスをおかけしていることを心苦しく残念に思う気持ちでいっぱいです。 ただ、その中で少しでも気持ちを和らげてあげようと、お花見行事は近隣の人のいない場所を探して、何日かで少人数に分かれて車に乗って見に行き、短い時間ではありましたが、桜を触ったり、匂いを嗅いで楽しみました。そして帰寮後に寮内で豪華な巻き寿司を食べて満喫して頂きました。
退職のご挨拶 村山しょうこ こうせい寮が好きで平成二年十月より勤務して三十年、利用者と共に同じ年月を重ねられたことが思い出の宝物となりました。以前は気づかなかった身体の衰えを感じながらも、利用者や若い職員に支えられ最年長支援員として、これまで勤められたことに感謝と喜びを感じています。また、日々支援する中で、利用者の笑顔と小さな気づき、感動の積み重ねが大きな励みとなりました。退職後は、ボランティアとして行事に参加して一緒に楽しみたいと思っています。これからもよろしくお願いします。長い間、本当にありがとうございました。 新任のご挨拶 岡崎 孝 昨年12月から勤務させてもらっています。 今までは高齢者の方の施設で働いていましたが、今回初めて障害者の方に触れ合う機会をいただき、新鮮な思いで日々勤務しています。利用者の方に笑顔で声をかけてもらい、楽しく過ごしています。僕の方からも同じように皆さんに楽しい時間を過ごしていただくことができれば、と思っています。よろしくお願いします。 新任のご挨拶 小山美紀 厨房で栄養士として勤務させて頂いています小山と申します。利用者の方々の健康を考慮しながら喜んで頂けるようなメニューを作りたいと思っています。頑張りますので、よろしくお願い致します。
ボランティア(1月~6月)ありがとうございました (ボランティア活動については、新型コロナウィルス感染症対策のため3月より休止しました。)(敬称略) *福祉ボランティア"ひまわり"(毎週土曜日における喫茶店へのガイドヘルプ)都筑、礒島、岡室、川田、黒住、渡逞 *ボランティアグループ“つくしんぼ"(毎月1回日曜日における寮内活動)青木、小野 *岡室(毎週土曜日に朗読・ギター演奏・合唱会) *赤木(点訳本の提供) *中野、中尾成介、合田(毎週日曜日にパソコンクラブの指導) 苦情・要望等について 生活支援主任 福田陽子 こうせい寮では毎年、苦情、要望に対する研修会への参加をしています。昨年度は岡山県社会福祉協議会が主催する研修に、直原支援員と第三者委員の人見さんが参加しました。 研修では、事例をとおして学ぶことも多くあるそうです。報告を受けて強く感じたのは、苦情や要望が出ないことが良いわけではないということです。苦情や要望を利用者の皆さんやご家族の大切な思い、声だと感じ、私たちが本気でサービスに取り組んでいくことが、こうせい寮のサービス向上の糧となるからです。 苦情解決責任者 寮長 加藤 憲 苦情解決担当者 生活支援課長 釜付滋弘 生活支援主任 福田陽子 生活支援員 直原弘美 生活支援員 岩本真由美 第三者委員 佐藤幸子(元県立盲学校副校長) 人見克江(元県立盲学校寄宿舎指導主任) 令和元年度苦情受け付け 苦情43件/要望37件 ・寮長ヒアリング(令和元年9月6日、17日、19日の3日間) 苦情17件/要望8件 ・寮長ヒアリング(令和2年2月10日、12日の2日間) 苦情18件/要望23件 ・第三者委員 人見克江氏ヒアリング(令和元年11月13日) 苦情8件/要望1件
平成31年度(令和元年度)ボランティア活動状況 生活支援員 直原弘美 ☆5月11日(土) 日帰り旅行 17名(男性6名、女性11名) ☆10月20日(日) 寮祭り 61名(男性13名、女性48名) ☆11月23日(土)ネオバラッドさんの寮内コンサート ☆12月28日(土) 忘年会 17名(男性4名、女性13名) ★福祉ボランティア"ひまわり"さん 喫茶店へのガイドヘルプ 延べ52名(26回) ★ボランティア"つくしんぼ"さん 寮内活動 延べ32名(7回) ★岡室さん 朗読、ギター演奏、合唱会 毎週土曜日 計35回 ★中野さん、中尾成介さん、合田さん パソコンクラブ 毎週日曜日(土・祝日)計48回 ★赤木さん 点訳本の提供 2か月に1回(2冊~3冊ずつ) 今年度もボランティアの皆様には、たくさんお世話になりました。ありがとうございました。
令和2年になり新型コロナウイルス感染症が流行し、利用者さんにとっての楽しみのーつひとつが順延、休止となってしまいました。「ボランティアの方にいつ会えるかなあ。」と話す利用者さんの姿に心が痛みました。 そのような時にボランティアの方から「利用者の方はどんなでしょうか?」と声をかけていただいた時には、ボランティアさんはいつも寄り添ってくださっているん だと思い、感謝の気持ちでいっぱいになりました。 今はー日も早くコロナウイルス感染症が落ち着き、みんなと安心した日々を過ごせるように祈るだけです。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ご寄付(1月~6月)ありがとうございました *最上稲荷総本山奉賛会 節分福豆・みかん *梶谷福祉基金 こうせい寮まつり助成金 令和2年度の行事予定 10月18日(日)こうせい寮まつり 11月中旬頃 日帰り旅行(5月順延) 12月28日(月)こうせい寮忘年会 本年度も皆様のご協力をよろしくお願いします。
・・・編集後記・・・ コロナ対策で皆さん大変だと思います。物資不足で手に入らないものもあり、コロナが施設に入らないことを祈るばかりです。移動制限を実施しているので、利用者はストレスが溜まっています。ドライブや、散歩、テイクアウト等少しでも想いに寄り添える支援をしています。一日も早く、自由に色々な所に行けるように。(編集委員一同)